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札幌地方裁判所 昭和47年(ワ)929号 決定

原告

鳴海元了

外四九名

被告

北海道電力株式会社

主文

原告らは、本決定送達の日から二週間以内に別紙記載のとおりの訴提起の手数料を追納せよ。

(原島克己 太田豊 末永進)

別紙

追納を命ずる原告

上記金額の内訳

番号

氏名

追納額(円)

選定者

(被選定者を含む)

金額(円)

1

鳴海元了

二〇、三六九

鳴海元了

八、一一二

鳴海力蔵

一、七五〇

鳴海ヤエ

一、七五〇

鳴海恵美子

一、七五〇

出口吉男

七、〇〇七

2

砂川保雄

五、六六一

砂川保雄

二、一六一

砂川美紀子

一、七五〇

砂川トメ

一、七五〇

3

肥後享

二五、〇三四

肥後享

五、〇二一

肥後ハナヨ

一、七五〇

なお、参考までに以上の手数料額算出の基礎をなす訴額の算定根拠の概要を示せば、次のとおりである。

1 いわゆる環境権及び人格権に基づく妨害予防請求権

いずれもその訴額は算定不能として原告(選定者を含む。以下同じ。)一人につき金三五万円とした。

2 土地所有権又は占有権に基づく妨害予防請求権

原告ら主張の各土地に関する固定資産評価証明書記載の評価額を基準とし、所有権についてはその二分の一、占有権については右評価額の三分一の当る各金額をその訴額とした。

3 漁業権に基づく妨害予防請求権

この請求は、有珠又は伊逹漁業協同組合の組合員である原告らが、その組合員たる資格に基づき右各組合の有する漁業権を行使しうべき地位に基づく妨害予防請求権を行使する趣旨と解されるので、右漁業権の残存期間内に原告らが右権利を行使してあげうるであろう漁業純利益額の二分の一をもつてその訴額とした。右漁業純利益額については、まず、本件記録に編綴されている有珠及び伊達漁業協同組合作成の昭和四五年ないし昭和四七年度における各所属組合員の同組合に対する漁獲物の個人別出荷高調書によつて当該原告の平均出荷高を算出し、これから昭和四六年度北海道統計書(同書八八ページ)による昭和四三年から昭和四六年度までの平均漁業経費を控除して算出した漁業所得額と本件記録に編綴されている原告らの昭和四七年度分の所得証明書記載の申告所得額とを対比して、その低額のものをもつて当該原告の年間漁業純利益額と推計した。なお、右のように一般統計の数値をも利用して計算した関係上、正確を期する意味において前記漁業権の残存期間については七年間(ライプニッツ法により現価に換算)、漁業経費については六〇%と見るなど控えめな数値を採用した。

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